介護美容とは?家族が知っておきたい効果・費用・サービスの頼み方を徹底解説 – 訪問美容・介護美容全国チェーン”KamiBito”【店舗数業界No.1】
 

介護美容とは?家族が知っておきたい効果・費用・サービスの頼み方を徹底解説

2026年5月29日

日本介護システム株式会社で、訪問理美容師を育てる研修トレーナーをしております、東岡と申します。

介護が必要な家族を持つと、身の回りのお世話や通院のサポートに追われて、美容まで手が回らないと感じる方も多いと思います。しかし「きれいにしてあげたい」という気持ちは、ご家族として自然な思いです。

そんなときに頼りになるのが介護美容というサービスです。この記事では、介護美容とは何か、どんな効果があるのか、費用はどのくらいかかるのかなど、ご家族の視点から必要な情報をまとめて解説します。

介護美容とは?普通の美容との違い

介護美容とは、加齢や病気・障がいなどによって美容室に通うことが難しくなった方のもとへ専門のスタッフが訪問し、ヘアカットやネイルケア、メイクなどの美容サービスを提供する取り組みです。

通常の美容室との最大の違いは「その人のいる場所へ出向く」という点です。自宅のベッドの上でも、施設の居室でも、その方の状態に合わせた施術が受けられます。

また、介護美容は見た目をきれいにするだけでなく、心のケアや生活の質(QOL)の向上を目的としている点も、一般的な美容とは異なります。近年は「化粧療法(メイクセラピー)」という言葉も生まれ、医療・介護の現場でその効果が注目されています。

日本の高齢化は急速に進んでおり、2023年時点で65歳以上の人口は全体の約29.1%を占めています。2037年には国民の3人に1人、2070年には2.6人に1人が65歳以上になるとの推計もあり(※1)、介護美容への需要はさらに高まっていくと考えられます。実際に、訪問美容サービスを提供するある事業者では、わずか3年間で導入施設数が11倍、利用者数が8倍に増加したというデータも報告されています(※2)。

※1 内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

※2 株式会社ミライプロジェクト プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000025369.html

どんなメニューが受けられるの?

介護美容のメニューは、大きく次の4種類に分けられます。

①ヘアケア

美容師または理容師の資格を持つスタッフが、カット・カラー・パーマ・ひげそり・頭皮マッサージなどを行います。寝たきりの方でもベッド上での施術が可能で、車いすに座ったままカットを受けることもできます。スタッフは持ち運びできる専用の道具を持参するため、特別な設備は必要ありません。

②ネイルケア

福祉ネイリストが爪を整えたり、マニキュアで色をつけたりするサービスです。関節の拘縮がある方や、認知症でコミュニケーションが難しい方にも対応できます。ふと目に入る指先が美しくなることで、日常生活に小さな喜びが生まれます。

③メイク・化粧療法

メイクケアセラピストなどの専門家が、スキンケアやメイクアップ、表情筋のストレッチを行います。化粧療法は女性だけでなく、男性のご利用者にも適用でき、スキンケアやハンドケアは性別を問わず喜ばれています。

④アロマテラピー・フットケア

植物由来の精油を使ったアロマテラピーや、足・手のトリートメントも介護美容のメニューに含まれます。睡眠の質向上やリラックス効果が期待でき、スキンシップを通じたコミュニケーションの機会にもなります。

どこで・誰が利用できるの?

利用できる場所

介護美容のサービスは、主に次の場所で受けられます。

対象者について

「要介護認定を受けていないと使えないの?」と思われるかもしれませんが、多くの事業者では要介護認定の有無にかかわらず利用できます。身体的な理由で美容室への通院が難しい方であれば、幅広く対象となります。年齢・性別・疾患の種類による制限はほとんどなく、寝たきりの方や認知症の方にも対応している事業者が多くあります。ただし事業者によって対応状況が異なるため、問い合わせ時に確認されることをおすすめします。

介護美容で「家族が気づく3つの変化」

介護美容を受けることで、ご利用者様にはどのような変化が生まれるのでしょうか。ご家族が実際に気づきやすい変化を3つ紹介します。

① 表情が明るくなる・笑顔が増える

きれいに整った自分の姿を鏡で見ることで、気持ちが前向きになる方が多くいます。「久しぶりにカットしてもらったら、お父さんが笑っていた」というように、施術後に表情が明るくなったという声は現場でも多く聞かれます。

公益財団法人長寿科学振興財団の研究報告によると、高齢者の化粧療法に関する研究では、幸福感が高まることで抑うつや不安の改善がみられるという結果が報告されており(※3)、自己肯定感や精神的な安定につながることが示されています。

※3 公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット:化粧とおしゃれと健康の関連」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-biyo/kesho-oshare-kenko.html

② 外出意欲が上がることがある

資生堂が特別養護老人ホームなど5施設で行った調査(2011〜2013年)では、高齢期にメイクをしている方は外出に対する自己効力感が高い傾向がみられたと報告されています(※4)。また、シミや手術痕が気になっていた方がメイクで補正できるようになり、外出を楽しめるようになった事例も報告されています。外出の機会が増えることで身体を動かす機会も増え、身体機能の維持につながる場合があります。

※4 株式会社資生堂「ライフクオリティービューティーセミナー 化粧療法研究」 https://corp.shiseido.com/seminar/jp/labo/index.html

③ 会話が増える・認知機能にも良い影響が期待できる

ヘアスタイルやネイルが変わると、施設のスタッフや他の利用者から「素敵ですね」「似合っていますよ」と声をかけられる機会が増えます。こうしたポジティブな交流の積み重ねが、孤独感の軽減につながることがあります。

また、岡山大学の研究グループが2021年に発表した臨床研究では、女性認知症患者36名を対象に化粧療法を実施したところ、化粧直後から情動機能が有意に改善したことが確認されています(※5)。こうした知見から、介護美容は認知症ケアの一環としても注目されています。

※5 日本ケアコミュニケーションズ「化粧療法(メイクセラピー)とは?最新の研究報告と実施の注意点」 (岡山大学研究グループ 2021年発表の臨床研究を引用) https://www.care-com.co.jp/usefulinfo/chishiki_01/

費用はどのくらいかかる?介護保険は使える?

費用の目安

介護美容の費用はメニューや事業者によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

メニュー費用の目安
カットのみ2,000〜4,000円程度
カット+シャンプー3,000〜6,000円程度
カラー(白髪染めなど)5,000〜10,000円程度
ネイルケア2,000〜5,000円程度

上記に加えて、出張費・交通費が別途かかる場合があります。事前に確認しておきましょう。

※上記の金額は各種公開情報をもとにした参考目安です。事業者・地域・メニューの組み合わせによって異なります。正確な金額は各事業者にお問い合わせください。

介護保険は使えるの?

介護美容(訪問理美容)は、介護保険の適用外です。「介護サービスだから保険が使えるはず」と思われる方もいますが、美容サービスは介護保険の給付対象には含まれていません。費用は基本的に全額自己負担となります。

ただし、施設によっては施設側が費用を一部負担しているケースや、定期的な訪問を施設サービスの一環として提供しているケースもあります。施設入居中の方は、まず施設スタッフに確認してみることをおすすめします。

家族でできる日常の介護美容ケア

訪問サービスを利用するだけでなく、日常のケアに美容の要素を取り入れることも介護美容の考え方のひとつです。ご家族でも取り組みやすいことを紹介します。

シーンできること
朝の着替え本人の好みを聞いて洋服を選ぶ。身だしなみを整える
洗顔・スキンケア入浴後に保湿クリームをていねいに塗る。顔色を確認する
髪のお手入れブラッシングをしてあげる。伸びが気になる場合は訪問サービスを検討する
手・足のケアハンドクリームや保湿クリームを塗りながらやさしくマッサージ
口元のケアお気に入りのリップクリームを使う

こうした日常のケアは特別な技術が必要なく、むしろ家族が行うことで安心感や温かさが伝わりやすいというメリットもあります。訪問サービスとの組み合わせで、継続的なケアの仕組みをつくってみてください。

サービスを選ぶときのチェックポイント

はじめて介護美容サービスを依頼するとき、どのような点を確認すればよいでしょうか。

美容師・理容師の国家資格を持っているか(ヘアカットを依頼する場合)

介護美容に関する研修・資格を取得しているか(福祉理美容士・認定福祉美容介護師など)

施術実績・訪問経験が豊富か

寝たきり・認知症など、利用者の状態に対応できるか

体調急変時の対応方針が明確か

事前ヒアリングを丁寧に行ってくれるか

信頼できる事業者は、初回の問い合わせ時に利用者の状態や希望をしっかりヒアリングしてくれます。「どこまで対応してもらえるか」「どのくらいの頻度が適切か」など、遠慮なく質問してみましょう。

初めて利用するまでの流れ

「興味はあるけど、どう動き出せばいいかわからない」という方のために、初回利用までのステップを紹介します。

STEP 1:ケアマネジャーや施設スタッフに相談する

在宅介護の場合はケアマネジャー、施設入居中の場合は施設スタッフに「訪問理美容を使いたい」と伝えましょう。紹介してもらえることも多くあります。

STEP 2:事業者へ問い合わせ・ヒアリング

電話やWebで問い合わせを行い、利用者の状態・希望・スケジュールを伝えます。対応できるメニューや費用の確認もこのタイミングで行いましょう。

STEP 3:当日の準備

施術スペースの確保(椅子や机が置ける場所)、体調の確認、希望するヘアスタイルのメモや写真の準備をしておくとスムーズです。

STEP 4:施術・アフターフォロー

施術後は感想をスタッフに伝え、次回に活かしてもらいましょう。「もう少し短めに」「洗髪はせずカットだけで」など、細かいリクエストも遠慮なく伝えて大丈夫です。

よくある質問(FAQ)

Q. 寝たきりの父でも利用できますか?

A. 多くの事業者でベッド上でのヘアカットやシャンプーに対応しています。ただし事業者によって対応範囲が異なるため、問い合わせ時に利用者の状態を詳しく伝えて確認されることをおすすめします。

Q. 認知症の母でも受け入れてもらえますか?

A. 介護美容のスタッフは認知症の方への対応を学んでいる場合が多く、コミュニケーションが難しい方にも丁寧に対応できる事業者が多くあります。事前に状態と普段のコミュニケーション方法をお伝えしておくとより安心です。

Q. 介護保険は使えますか?

A. 訪問理美容・介護美容は介護保険の適用外です。費用は全額自己負担となります。ただし施設によっては費用補助がある場合もあるため、施設スタッフへご確認ください。

Q. 施設に入居中ですが、依頼できますか?

A. 多くの場合、施設入居中でも訪問理美容を利用できます。施設によっては定期的な訪問サービスをすでに導入しているケースもあるため、まず施設スタッフにご確認ください。

まとめ

介護美容は、さまざまな事情で理美容所に通えなくなった、自分での身だしなみやお手入れが難しくなった方々の「きれいでいる喜び」を守るためのサービスです。見た目を整えることは、けっして贅沢ではありません。その方らしさを保ち、自信を取り戻すための大切なケアのひとつです。

「私の家族にもおすすめしたい、使ってみたい」と思ったら、まずはケアマネジャーや施設スタッフへ相談するところから始めてみてください。

また、訪問理美容ことでお困りの方は、ぜひKamiBitoにもお気軽にご相談ください。ご利用者様の状態やご要望に合わせたサービスをご提案します。

参考文献

訪問理美容師としてのキャリアに興味をお持ちの方はこちら↓

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