障がいがあって外出困難でも大丈夫。自宅で散髪ができますよ。

2025年11月12日

日本介護システム株式会社で、訪問理美容師さんたちを育てる研修トレーナーをしております、東岡と申します。
私、美容関係の職に就いて約40年になるんです。 そのうちの半分、20年間は、ご自宅や施設へお伺いする「訪問理美容」の現場で、たくさんの方の髪に触れてきました。
サロン(美容室)に行きたくても行けない…。 ご病気や、年齢を重ねてベッドから動けない…。
そうした理由で、『もうオシャレなんて』と、キレイになることを“あきらめてしまう”方々を、私は何人も何人も見てまいりました。
でも、私たちKamiBito(かみびと)が一番大切にしている想いは、「超高齢社会をハッピーに」することなんです。
私たちは、ただ髪を切るだけではありません。 髪を整えてサッパリすることで、その方の「心の自由を取り戻す」お手伝いをすること 。 それこそが、その方ご自身が「自分らしく、豊かに生きる」こと(QOLの向上)につながると、心から信じています。
このブログでは、私の40年の美容師経験と、全国400名以上の専門スタッフを育ててきたトレーナーの視点から、皆さまが持っていらっしゃる「訪問理美容って、実際どうなの?」という疑問、特に「障がいがあっても大丈夫?」という不安について、しっかりお答えしていきますね。

Q. 「障がいがあって外出困難っでも大丈夫」って、どういうことですか?

A. それは、身体的、精神的に外出困難な方でも出張散髪で散髪する事は可能です。さらにいえば様々な障がいの特性や病状を深く理解し、「安全」と「心の配慮」を最優先できる、プロの技術と知識がある、ということです。
「障がい」と一口に言っても、その特性は十人十色です。 私たち訪問理美容師は、「ただハサミが使える」だけでは、プロとは言えません。
KamiBitoには、独自の認定資格「訪問理美容マイスター®」という制度があります。この研修で、私たちは美容技術だけでなく、お客様の安全を守るための専門知識を徹底的に学ぶんです。
具体的に、私たちがどんな「専門性」を持っているのか、少しご紹介させてください。

1. 身体的な障がいや、医療的なケアが必要な方への専門技術

まず、車イスをご利用の方への対応です。 安全な移動のお手伝いはもちろん、体勢が不安定にならないよう、安全な姿勢を保ちながらカットする技術を学びます 。転倒などのリスクをなくすことが、何よりも大切ですからね 。

◆「寝たきり」の方こそ、私たちの専門分野です

「ベッドから動けない」という方 。 ご安心ください。私たちには「ベッドカット」や「ベッドシャンプー」という専門技術があります 。お客様はベッドに寝たままで、お身体に負担をかけることなく、サッパリと快適に施術を受けていただけます。

◆医療機器をつけていても、大丈夫

私たちが現場で一番気をつけていることの一つが、医療機器への配慮です。 酸素チューブや点滴、そして「気管切開」をされている方への対応も、研修でしっかり学んでいます。
例えば、気管切開をされている場合、万が一にも切った髪の毛や水が気管に入ってしまったら、窒息や肺炎につながる命がけの事故になります。 私たちはそうしたリスクを完全に理解した上で、安全を確保しながら施術を進めます。
お客様の「安全」が第一。 途中で体調が悪くなられたら、無理にスタイルを完成させることはしません。その日は短時間で切り上げ、ご体調を最優先します。これもプロとしての大切な判断なんです。

2. 認知症や、知的・精神的な障がいをお持ちの方への専門技術

「じっとしていられないかもしれない」「知らない人が来たら、怖がってしまうかも」 こうしたご不安も、よく伺います。
私たちは、認知症や知的障がい、精神疾患をお持ちの方への「コミュニケーション技術」も専門的に学んでいます 。

◆「静かな対応」こそが、プロの技術

意外に思われるかもしれませんが、一般的な美容室のような「楽しいおしゃべり」や「賑やかな雰囲気」が、かえってお客様を不安にさせてしまうことがあります。 私たちは、あえて「必要最小限の言葉かけで、静かに対応する」という技術を使います。
これは、決して無愛想にしているのではありません。 お客様が混乱しないよう、五感への刺激を最小限に抑え、穏やかな表情とゆっくりとした動作で、「ここは安全な場所ですよ」というメッセージを伝える、とても高度な技術なんです。

◆「心の安全」を守るために

考えてみてください。お客様のテリトリー(ご自宅や居室)に、見知らぬ人間がハサミという鋭利なものを持って入ってくる…。これは、とても怖いことですよね。
だから私たちは、いきなりカットを始めたりしません。 まず道具を見せたり、触っていただいたり。「次は〇〇をしますね」と手順を丁寧にご説明したり。 もしお客様が拒否するようなサイン(言葉にならなくても、表情や仕草)を見せたら、すぐに手を止めます。
私たちが守るべき「安全」とは、お身体の安全だけでなく、「心の安全」も含まれているんです。

Q. 自宅での施術、片付けは大丈夫?

A. はい、完璧な清掃・後片付けは「安全対策」の最も重要な一部です。
私たちは、お客様のご自宅(リビング、寝室など、イス一つ置けるスペースがあれば大丈夫です)を、一時的に「安全なサロン」に変えるノウハウを持っています。
そして、施術が終わった後の「後片付け」を、私たちは何よりも徹底しています 。 これは、単に「お部屋を汚さない」というマナーの問題ではありません。ご高齢者や障がいをお持ちの方にとって、床に落ちた髪の毛は「新たな危険」になるからです。

例えば、

「靴下まで粘着テープでコロコロしてくれた」というお声をいただくこともありますが、それは私たちが「お客様の安全を守る」というプロ意識を持っているからです。「来た時よりも美しく、そして安全に」。それが私たちのルールです。

Q. 施設でも、個人でも、頼めるの?

A. はい、どちらも可能です。

◆介護施設様へ: 職員様の「間接的な負担」を減らします

私たちは全国4,300以上の施設様とお取引があります。 もちろん、入居者様に喜んでいただくこと(満足度96%!)が第一ですが、施設様からは「職員の負担が本当に減った」というお声をよくいただきます。
特に、認知症などでケアが難しい方の対応や、専門的な清掃を私たちプロが引き受けることで、介護職員の皆様が本来のケア業務に集中できる。 これも、私たちが提供できる大切な価値なんです。

◆個人(ご自宅)で利用したい方へ: 「介護保険」と「助成金」のお話

まず大切なこととして、訪問理美容は、原則として介護保険は使えません [Q4]。医療行為ではないからです。(個人様ですと、カット料金4,950円(税込)+出張費 ※2025年11月現在)といった形になります。

「それじゃあ、負担が大きくて…」と思われた方、ぜひ一度、お住まいの市区町村の窓口(介護担当)で確認してみてください!
自治体によっては、独自の「助成制度」を設けている場合があります。 例えば、東京都北区では要介護4か5の方に、さいたま市では要介護3~5の方に、無料券や割引の制度があります 。
これは、自治体も「理美容」を単なる贅沢ではなく、重度の介護が必要な方のQOL(生活の質)を支える大切なサービスだと認めてくれている、ということなんです。

結論として

「障がいがあってもカットしてもらえる訪問理美容」とは、

このすべてを兼ね備えた、専門職のサービスです。
私たちは、ご高齢の方や障がいを持つ方が、いつまでも「自分らしく美しく」いられるよう、サービスと技術の向上に日々努めています。 ご不明な点やご要望がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせくださいね。

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